第3章 批評家を武装解除する
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覚醒している間常に注意を払い続けるというのは不可能なので特に注意を払うべき状況を知っておく
前章の問題の多い状況のリスト
↑以外にもある
抑うつ感を覚えて自分を貶めているような場合
一般にこのような感情は批評家によって引き起こされ、まさに批評家が活動中であることを示している
批評家を捕らえるためにすること
1. 目を閉じて数回深呼吸する。深く息を吸い込んだり吐いたりして、横隔膜を上下させる
2. 身体をリラックスさせる。脚、腕、顔、顎、首、肩の緊張が解けていくことに注意を向ける
3. 身体の中の抑うつ感に注意を払う。その場所に焦点を当てて、そこの感覚を実際に感じ取る
4. 身体のその場所の感覚とともに浮かんでくる考えに耳を傾ける。あなたが自分自身に語りかけていることのすべてに注意を払う。次にその感覚がどのように始まって、批評家が何を言っていたかを覚えておくようにする
批評家の攻撃を分析してパターンを把握する
批評家が用いているテーマに気がつくと反撃の準備が整ったことになる
批評家の武装解除には3段階
1. 批評家の目的を明らかにする
2. 反論する
3. 批評家を無力化する
批評家の目的を明らかにする
古典的な例: たばこ会社の喫煙と心疾患の関連性が認められないという研究
たばこ会社の隠された動機は明らかなので真に受ける人は少ない
批評家の仮面をはぐにはその真の目的を明らかにしていく
お前(批評家)は私が育った時の規則に従って生きるように仕向けてくる
お前がいつも私をみんなと比べているので、私の地位が低く感じることがある
両親がかつてそうしたように、お前は私を叩く。私は両親を信じていたようにお前を信じてしまう。
お前は私がもっとできると尻を叩き、おそらく自分のことを快く思う
お前は私が完璧であるようにと主張する。というのも、全てを完璧にできれば、自分のことをようやくこれでよいと思えるからだ。
私にはできないとお前が言うので、私は見ようとしないのだけれども、実際には私が、台無しにするのではないかと心配する必要もない。
彼らは私を好きではないとお前が言うので、拒絶されても傷つかない
彼女が私のことをすっかり嫌気がさしているとお前が言うので、何が事実であろうと、私は最悪の事態に対する心の準備ができている
私は完全であれとお前に言われるので、ばかげたことだが私はほんの数分間だけでも完全を目指し、その結果、自分を快く思う。
お前から責められるので、ジルと離婚することの罪責感が和らぐ
批評家が何を喚き散らそうが、隠された動機をすでに知っているので傷を負う可能性は低くなる。
反論する
子供の頃に受けた古くて否定的なプログラミングに反証し、それを拒絶する方法を学ぶ
2つの方法
代価を尋ねる
対人関係、仕事、幸福の程度といったことについて、自尊心はあなたにどのような影響を及ぼしているのかをかきあげてみる
リストができあがったら最も重要な事柄を組み合わせて、まとめの言葉にして批評家が攻撃してきたときにはそれが使えるようにしておく
価値を肯定する
この方法は練習するのが難しい
自分のどこかが間違っている、自分は大丈夫ではないと確信している場合
代価を尋ねる方法には限界がある
代償が大きすぎると主張するだけでは批評家の辛辣な言葉を永遠に止めることはできない。
一時的には役に立つ
批評家の口を封じたとしても、それがいた場所に何かを埋めないと批評家がまたその場所を埋めてしまう
あなたの価値はあなたの行動次第だと信じている
あなたは自分を空の容器のように見ていて、少しずつ自分が達成したことでそれを埋めていかなければならないと考えている。
実際のところ、あなたの価値は意識、すなわち認識し経験するという能力
人間の価値はまさに人間が存在するということ
あなたが何をしようとも、何の貢献をしようとも、それはあなたの価値を証明する欲求からではなく、あなたが生きているという自然な流れから生じている
自分が何をするかは、自己を証明する闘いとしてではなく、むしろ、完全に生きる衝動から生じるべきである
長年にわたり、あなたは苦痛の最中で気分がよくなるのに役立つ多くの戦略を試みてきた
短期的には効果があるが長期的にはかえって苦痛を増してしまうものもある
そんなことは構わない。あなたは必死で生きようとしているのだ。
それこそがあなたの価値であり、人間性であるのだ。
批評家と距離を置こうとするときに使える肯定の言葉
呼吸をし、感じ、意識しているから、私には価値がある
私はどうして自分を傷つけるのか?私は必死に生きようとしている。私は全力を尽くしている。
私は痛みを感じ、愛し、そして生き延びようとしている。私は善良な人間である。
私の痛み、希望、生存の闘いは、私を他のすべての人間に結びつける。私達は皆、生きようとしているだけであり、できる限り全力を尽くしている
あなたが信じられる言葉に辿り着き、批判的な声に置き換えることが重要である
毎日、批評家からの攻撃を封じる事ができるたびに、肯定の言葉を使うことにしよう
批評家を無力化する
批評家を武装解除する最高の方法はその力を奪うこと
批評家がどのように機能しているかを知るだけでは十分ではない。
健康的な方法で同じ欲求を満たす必要がある。
典型的に批評家が手助けしている欲求
正しく行う欲求
古い戦略では批評家に命令されるがままに「まっすぐで狭い道」を歩むという方法に頼ってきた。
より健康的な戦略は一連のすべき思考や個人的な基準を再評価して、どれが現実的に合っているかを見定める
正しいと感じる欲求
古い戦略では他者と比較し、非常に高い完璧な基準を設定するものだった
より健康的な戦略は、自分自身をこれまでよりも現実的にとらえること
達成する欲求
古い戦略では批評家に頼ってより多くを達成するように動機づけることだった
最大の問題は批評家の主張こそがごく当たり前で、全く正しいと信じていること
健康的な方法への第一段階は、「あなたの行動があなたの価値を決める」という古い確信に立ち向かうこと
健康的な方法への第二段階は、目標が自分にとって適切なものであるかを見定める術を学ぶことに関連する
健康的な方法への最終段階は、動機づけの新たな源を探ること
成功がもたらす肯定的な結果を視覚化すること
否定的な気分をコントロールする欲求
1. 大丈夫ではない、悪い、価値がないという気分
完璧という高すぎる基準を設定してこの気分を抑え込むのを批評家が手助けしている
「正しいと感じる欲求」の項で解説した段階を踏んでいくことでこの気分をコントロールできるようになる
2. 失敗するのではないかという恐怖感
あなたは試そうともしないで恐怖感も和らいでいく
この恐怖感をコントロールする健康的な戦略とは、間違えることの意味をとらえなおすことである
自尊心の低い人は失敗とは自分には価値が大きく欠けていることを示す指標であるとみなしている
一つ一つの失敗は自分はなにかひどい欠陥があるという根源的な確信を再確認することになる
「人間は現在の意識に基づいた自分の欲求に最も合うと思われる行動を常に選択する」
ある時点であなたは可能な限り最高の決断を下している
失敗に対処する秘訣とは、あなたが下した決定はすべてその状況において最高のものであったと認識すること
3. 拒絶されるのではないかという恐怖感
批評家が手助けすること
将来起きることを予測し、あなたにその準備をさせることで、あなたが拒絶に対処できるようにする
他者がいかなる批判からも逃れられないようにあなたが行動する
健康的な方法
失敗してもその時点で可能な最高の決定であったととらえなおす
批判に対処する特定のスキルを身につける
読心(mind reading)ではなく、予測される拒絶について検討することを学ぶ
第一段階として自分自身への語りかけを変えていく
第二段階はあなたの行動を変化させること
第三段階は他者の思考や気分についてのあなたの思い込みを信用しないという決断が求められる
その代りに確認のスキル
4. 怒り
怒りに対処するために自分自身への攻撃に向けるように批評家は手助けする
健康的な戦略はあなたの求めることを相手に伝えて交渉する方法を学ぶことである
怒りは絶望感の副産物であることが多い
欲求が十分に表されない
適切な自己主張について学ぶ
5. 自責感
批評家はあなたを罰することで、あなたの自責感を和らげる手助けをする
よりよい戦略は、自責感が健康的な価値の否定、あるいは不健康な価値から生じているのかを見定めること
善悪の完全な二分法ではなく、あなたの行動の結果に基づいていたという意味を見極めなければならない
自分の規則が不健康なものであると気づいたら、古い価値に疑問を投げかけることによって自責と戦うことができる
6. 欲求不満
批評家はあなたを避難し、攻撃し、あなたの緊張の程度を減らすために否定的なエネルギーを十分に発散させることによって、あなたの欲求不満をコントロールする手助けをする
健康的な戦略は、あなたの本来の価値を繰り返し再確認し、あなたのいかなる失敗もその時点で可能な最高の決断であったことを自分に言い聞かせること